日本語の意味 英語の意味
著者: 小島義郎
出版社: 南雲堂
Kunishiro の評価:
内容:
一部専門的な記述もあるが、おおむね読みやすく、英語の学習者にも翻訳者、翻訳学習者にも勉強になる一冊だと思う。各章の概要は以下のとおり。
第 1 章 日本語と英語の意味のずれ:
日常的に使われることばにおける、日本語と英語の意味のずれについて書かれている。たとえば、chair と「イス」、rice と「米」にはどんな意味のずれがあるのか。わかっているようで、わかっていない意味のずれについて詳しく説明されていて、興味深く読める内容だった。また、カタカナ語や和製英語と本来の英語の意味のずれについても詳しく記述されている。
第 2 章 意味の意味を考える:
辞書に書かれている単語の意味の正確性に関する記述。類義語や包摂語、慣用表現やコロケーションについても触れている。
第 3 章 文法と意味:
「it を『それ』と訳すのは正しいのか」、複数形のある言語とない言語、「ぼくはコーヒーだ」に関する考察など、興味深い内容が取り上げられている。
第 4 章 日英の発想の違い:
無生物主語や日本語の表現の特徴など、日英の発想の違いについて詳しく説明している。
第 5 章 コミュニケーションと意味
文と発話の違いなど、コミュニケーションとは何かについて記述している。
個人的には、第 5 章を除いて、1 章 ~ 4 章まで非常に興味のある内容だった。初級、中級、上級を問わず、すべての英語学習者、翻訳(志望)者にとって有益な本だと思う。
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