「英文法」を疑う - ゼロから考える単語のしくみ
著者: 松井力也
出版社: 講談社(講談社現代新書)
Kunishiro の評価:
内容:
簡単な例文を使って、英語の仕組みをわかりやすく説明してくれている。今までわかっていたつもりでも釈然としなかったことが、スーっと腑に落ちた。単に表面的な表現や発想の違いではなく、英語と日本語の根本的な違いについて言及しており、英語ネイティブスピーカーのものの見方がぼんやりとわかる。特に、人称に関する英語と日本語の違いが興味深かった。
本書では、英語では世界を「モノ」的に、日本語では「コト」的に捉えると主張してている。この視点の違いを念頭において英文を眺めると、いままでと異なる景色が見えてくる。個人的には、英語では動詞も「モノ」であるとする「第 3 章 動詞がわからない」が非常に参考になった。動詞も「モノ」であると考えると、be 動詞の役割、動詞の変化(原形、現在分詞、過去分詞)の意味、時制の概念などがわかりやすくなる。英語の動詞をこのような視点から見たことはなかったので、目からうろこだった。
翻訳者だけでなく、英語に携わる人すべてに参考になる良書だと思う。お勧めの一冊です。
「英文法」を疑うの内容
第 1 章: 英語と日本語は相性が悪い
第 2 章: 名詞・代名詞がわからない
第 3 章: 動詞がわからない
第 4 章: 前置詞・接続詞がわからない
「英文法」を疑う―ゼロから考える単語のしくみ (講談社現代新書) 講談社 1999-03 by G-Tools |
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