英語脳はすでにあなたの頭の中にある!
著者: 井上 一馬
出版社: 大修館書店
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内容:
目からうろこが落ちた。最近「英語脳」ということばをよく耳にするが、英語脳などというものをわざわざ作らなくても、日本人の頭の中に英語脳はすでにあると著者は言う。
現在完了はなぜ、「have + 過去分詞」となるのか。英語ではなぜ時制を一致させないといけないのか。仮定法ではなぜ was の代わりに were を使うのか。こういった疑問を、「英語脳」という観点からわかりやすく説明し、すでに日本語脳にある英語脳的な発想と結びつけて解説してくれる画期的な本。
私自身が印象に残ったのは、冠詞に関する説明である。the young(若者)、the rich(金持ち)、the disabled(身体障害者)など、the を付けて総称を表す英語脳的な発想や、冠詞を付ける固有名詞と冠詞を付けない固有名詞の違いなど、冠詞に関するもやもやがすっきりと晴れたような気がする。
断っておくが、これは英語を簡単にマスターするための本ではない。実際に、本書で著者は「英語を学ぶのはそれほど簡単なことではない」と言っており、効率的に習得するためには文法を勉強する必要があることを説いている。
これは、英語脳とそれに対応する日本語脳という観点から説明した新しいタイプの英文法書だと言えるかもしれない。ただし、英文法のすべての項目を網羅しているわけではないので、一般の文法書でしっかり勉強したあとに(文法がある程度身についている人が)読むことをお勧めする。
英語脳はすでにあなたの頭の中にある! 井上 一馬 大修館書店 2010-04-01 by G-Tools |
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