すぐれた英語翻訳への道―創造する翻訳者が使う技法集
著者: 小正 幸道
出版社: 大修館書店
Kunishiro の評価:
内容:
すでに絶版になっている古い本で中古品しか手に入らないが、なぜ再版されないのか不思議なくらい良書だと思う。サブタイトルは「創造する翻訳者が使う技法集」。このサブタイトルが示すとおり、すぐれた英訳を行うための数々の技法を紹介している。
第1章では、両言語の間の橋渡しをする翻訳者が果たすべき機能について説明している。具体的には、削除、捕捉、変容、再編成といった4つの機能について解説している。第2章では、主語の攻略法について説明している。第3章では、左傾構文(日本語)と右傾構文(英語)について解説している。左傾構文とは、主部が長い頭でっかちの構文であるが、このような長い主部を避けて、すっきりした英文を書く手法(二極懸垂技法)を紹介している。第4章では、日本文の長い前置修飾を英語構文の中にすっきりとはめ込む技法(同格技法)について解説している。第5章と第6章では、英語の稚拙文を成熟文に磨き上げるリライト技法を、第7章では文章の単調さを払拭する方法について説明している。
英訳の入門的な参考書ではないので、基本をしっかり身につけているプロの翻訳者を対象とした参考書である。この本で紹介されている技法を理解しマスターすれば、自分の英文がワンランクもツーランクもアップすることは間違いないと思う。超おすすめの1冊です。
すぐれた英語翻訳への道―創造する翻訳者が使う技法集 小正 幸造 by G-Tools |
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