コラム18: 五月雨式の案件と先物の案件
翻訳の仕事はさまざまな形式で依頼されますが、できれば受けたくない仕事というのがあります。1
つは「五月雨式」の案件で、もう 1 つは先物の案件です。
まず「五月雨式(さみだれしき)」について。「五月雨式」は翻訳業界でよく使われることばです。「原稿は五月雨式にお渡しします」と言われれば、現時点では翻訳対象の原稿がすべてそろっていないため、でき上がり次第順次渡すというものです。クライアントとしては、原稿の一部ができた段階で発注しておき、追って原稿を完成させることで納期を短縮しようというものです。
五月雨式が何故嫌かと言うと、原稿が約束どおりに入ってくることがほとんどないからです。もらっている原稿の翻訳がすべて済み、続きの原稿が必要な段階になっても約束どおり原稿が入っていきません。スケジュールが 2 度、3 度修正になった挙句、最終的に仕事が打ち切りになることも珍しくありません。
もう 1 つ困るのが、先物の未確定案件に対するスケジュールの確保です。たとえば、「1 週間先に 100 ページほどの仕事が入ってくる予定なので、スケジュールを空けておいてほしい」といったものです。これも、あくまでも予定であり、確定の仕事ではありません。実際、発注にならないケースもあります。このような未確定の仕事のためのスケジュール確保を約束してしてしまうと、ほかの仕事の依頼があったときに断らなくてはならなくなります。予定どおりに仕事をもらえれば問題ないのですが、その仕事が立ち消えになってしまった場合は、スケジュールに穴が空いてしまうことになります。
このような場合、私は「案件が確定になり、原稿が入手できた段階でまた声をかけてください。そのときにスケジュールが空いていれば受けさせていただきます」と回答させていただいています。五月雨式についても、「原稿をもらっているところまでで 1 つの案件とし、続きは別の注文と言う形で」お願いしています。
私たち翻訳者にとっては、未確定の 10 万円の仕事よりも、1 万円の確定した仕事のほうが重要なのです。
カテゴリー: 6. 翻訳全般
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まず「五月雨式(さみだれしき)」について。「五月雨式」は翻訳業界でよく使われることばです。「原稿は五月雨式にお渡しします」と言われれば、現時点では翻訳対象の原稿がすべてそろっていないため、でき上がり次第順次渡すというものです。クライアントとしては、原稿の一部ができた段階で発注しておき、追って原稿を完成させることで納期を短縮しようというものです。
五月雨式が何故嫌かと言うと、原稿が約束どおりに入ってくることがほとんどないからです。もらっている原稿の翻訳がすべて済み、続きの原稿が必要な段階になっても約束どおり原稿が入っていきません。スケジュールが 2 度、3 度修正になった挙句、最終的に仕事が打ち切りになることも珍しくありません。
もう 1 つ困るのが、先物の未確定案件に対するスケジュールの確保です。たとえば、「1 週間先に 100 ページほどの仕事が入ってくる予定なので、スケジュールを空けておいてほしい」といったものです。これも、あくまでも予定であり、確定の仕事ではありません。実際、発注にならないケースもあります。このような未確定の仕事のためのスケジュール確保を約束してしてしまうと、ほかの仕事の依頼があったときに断らなくてはならなくなります。予定どおりに仕事をもらえれば問題ないのですが、その仕事が立ち消えになってしまった場合は、スケジュールに穴が空いてしまうことになります。
このような場合、私は「案件が確定になり、原稿が入手できた段階でまた声をかけてください。そのときにスケジュールが空いていれば受けさせていただきます」と回答させていただいています。五月雨式についても、「原稿をもらっているところまでで 1 つの案件とし、続きは別の注文と言う形で」お願いしています。
私たち翻訳者にとっては、未確定の 10 万円の仕事よりも、1 万円の確定した仕事のほうが重要なのです。
カテゴリー: 6. 翻訳全般
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