コラム 36: 電車内で見かけたちょっと変な英語
電車内で見かけたちょっとおかしな英文の注意書きや説明文を添削してみたいと思います。
まずは、こちらの英文見てください。
日本語: ランプ点灯中ボタンを押せばドアが開閉します。
英文: Press button when light is on to open and close door.
まずは「ランプ点灯中」について考えます。ここの「ランプ」は、車内の照明ではなく、ボタン自体が点灯することを意味してると思われます。したがって、「when the buttons are illuminated」 や 「when the buttons are lit up」 あたりが適切ではないでしょうか。When the light is on だと、「車内の電灯が点灯しているとき」という意味に解釈されるおそれがあります。
次に、「ボタンを押せばドアが開閉します」について。「〜 すると 〜 します」は、一般的に「You can do something to do something」で表すことができます。ここで do something は「ボタンを押す」で、to do something は「ドアを(が)開閉する」です。
まずは、前半の「ボタンを押せば」から見てみましょう。電車内の英文は「press button」になっていますが、実際にはボタンが 2 つあります。どう表現すればよいでしょうか。Press the button とすると、「そのボタンを押す」となり、「どっちのボタン?」という疑問が生じます。また、Press a button とすると「どちらかのボタンを押す」となります。しかし、実際にはどちらでもいいということではありません。正確には「開けたいときには Open ボタン、閉めたいときには Close ボタンを押す」となります。しかし、これをそのまま英語するととんでもなく長い英文になってしまいます。こんなときに便利な英単語が appropriate です。appropriate は、適切な、該当する、しかるべきといった意味なので、You can press the apppropriate button とすると、「該当するボタンを押す」という意味になり、読み手が疑問を感じることはありません。
次に、後半の「ドアが開閉します」について考えましょう。英文の「open and close door」は「ドアが開いて(そのあと)閉じる」という意味になります。しかし、実際には、Open ボタンを押したときは開き、Close ボタンを押したときは閉じるのだと思われます。したがって、opne or close the door とします。日本語の「開閉」は、このケースでは「開 and 閉」ではなく「開 or 閉」です。
以上のことを踏まえて「ランプ点灯中ボタンを押せばドアが開閉します」を英語に訳してみます。
訳例 1:
When the buttons are illuminated, you can press the appropriate button to open or close the door.
または
訳例 2:
To open or close the door, press the appropriate button when the buttons are illuminated (lit up).
(ドアを開閉するには、ボタン点灯中時に該当するボタンを押してください)
訳例 2 のほうが、明確でよいのではないでしょうか。
次に取り上げる電車内の英語は「ドアにご注意」と「駆け込み乗車はやめましょう」です。
「ドアにご注意は」の英訳「Please be careful of the doors」については、doors を door にしたほうがいいでしょう。このケースの「ドア」は、すべてのドアではなく、今あなたの目の前にある「このドア」を意味しています。しかし、この英文はもっと簡潔にできます。
訳例:
CAUTION: AUTOMATIC DOOR!
ドアに注意するとは、「自動ドアなので突然開閉することがある」ということが伝えたいのだと思います。したがって、このこのほうが簡潔でわかりやすいのではないでしょうか。
次に、「駆け込み乗車はやめましょう」については、今度は the train よりも trains のほうが適切だと思われます。ここでは、今あなたが乗っている特定の電車ではなく、電車全般を表しているからです。そして、この英文はもっと簡潔に以下のように表現できます。
訳例:
Do not rush onto trains.
これで、すっきりとわかりやすい表現になりました。
カテゴリー: 3. 変な英語・間違い英語
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日本語: ランプ点灯中ボタンを押せばドアが開閉します。
英文: Press button when light is on to open and close door.
まずは「ランプ点灯中」について考えます。ここの「ランプ」は、車内の照明ではなく、ボタン自体が点灯することを意味してると思われます。したがって、「when the buttons are illuminated」 や 「when the buttons are lit up」 あたりが適切ではないでしょうか。When the light is on だと、「車内の電灯が点灯しているとき」という意味に解釈されるおそれがあります。
次に、「ボタンを押せばドアが開閉します」について。「〜 すると 〜 します」は、一般的に「You can do something to do something」で表すことができます。ここで do something は「ボタンを押す」で、to do something は「ドアを(が)開閉する」です。
まずは、前半の「ボタンを押せば」から見てみましょう。電車内の英文は「press button」になっていますが、実際にはボタンが 2 つあります。どう表現すればよいでしょうか。Press the button とすると、「そのボタンを押す」となり、「どっちのボタン?」という疑問が生じます。また、Press a button とすると「どちらかのボタンを押す」となります。しかし、実際にはどちらでもいいということではありません。正確には「開けたいときには Open ボタン、閉めたいときには Close ボタンを押す」となります。しかし、これをそのまま英語するととんでもなく長い英文になってしまいます。こんなときに便利な英単語が appropriate です。appropriate は、適切な、該当する、しかるべきといった意味なので、You can press the apppropriate button とすると、「該当するボタンを押す」という意味になり、読み手が疑問を感じることはありません。
次に、後半の「ドアが開閉します」について考えましょう。英文の「open and close door」は「ドアが開いて(そのあと)閉じる」という意味になります。しかし、実際には、Open ボタンを押したときは開き、Close ボタンを押したときは閉じるのだと思われます。したがって、opne or close the door とします。日本語の「開閉」は、このケースでは「開 and 閉」ではなく「開 or 閉」です。
以上のことを踏まえて「ランプ点灯中ボタンを押せばドアが開閉します」を英語に訳してみます。
訳例 1:
When the buttons are illuminated, you can press the appropriate button to open or close the door.
または
訳例 2:
To open or close the door, press the appropriate button when the buttons are illuminated (lit up).
(ドアを開閉するには、ボタン点灯中時に該当するボタンを押してください)
訳例 2 のほうが、明確でよいのではないでしょうか。
次に取り上げる電車内の英語は「ドアにご注意」と「駆け込み乗車はやめましょう」です。
「ドアにご注意は」の英訳「Please be careful of the doors」については、doors を door にしたほうがいいでしょう。このケースの「ドア」は、すべてのドアではなく、今あなたの目の前にある「このドア」を意味しています。しかし、この英文はもっと簡潔にできます。
訳例:
CAUTION: AUTOMATIC DOOR!
ドアに注意するとは、「自動ドアなので突然開閉することがある」ということが伝えたいのだと思います。したがって、このこのほうが簡潔でわかりやすいのではないでしょうか。
次に、「駆け込み乗車はやめましょう」については、今度は the train よりも trains のほうが適切だと思われます。ここでは、今あなたが乗っている特定の電車ではなく、電車全般を表しているからです。そして、この英文はもっと簡潔に以下のように表現できます。
訳例:
Do not rush onto trains.
これで、すっきりとわかりやすい表現になりました。
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