漢字とかなの使い分け
以前、ソフトウェアのローカリゼーションを中心にやっていたころは、ソースクライアントから数十ページに及ぶスタイルガイドが支給され、ルールを覚えるだけででも一苦労していたことがあります。思うところがあり、ローカリゼーションをやめてからは、スタイルガイドを支給されるケースはほとんどなくなったのですが、今回の案件では久しぶりにスタイルガイドが支給されました。
よほどおかしな文体や言い回しを強要されない限り、翻訳者はクライントが要求するスタイルに従うべきだと考えています。特に、カタカナ語の表記や漢字とかなの使い分けについては、これが絶対という基準があるわけではなく、翻訳の本質にかかわる問題でもないので、翻訳者がとやかく言うことではないと思っています。
しかし、長年の翻訳生活で自分自身のスタイルが確立され、それに従って訳文を作成してきたので、たまに自分のスタイルと異なるスタイルを指定されるとちょっとしたストレスを感じてしまいます。普段、漢字とかなの使い分けについては、『文章・用字用語ハンドブック』に準じており、その使い分けがすっかり身体に染み付いています。今回は、普段ひらがなで書いている語句のいくつかを漢字で書くように指示されているため、慣れるまでに時間がかかりそうです。特に違和感があるのが以下の表記です。
全て、事、~の通り、様々、従って、例えば、等
これまでの癖で、ひらがなで表記してしまわないかちょっと不安です。いっそうのこと、これまでどおりひらがなで表記し、最後に一括置換してしまったほうが安全かなという気もします。これらの語を漢字で書く癖が付いてしまうことも怖いので、どうしようか思案中です。
コラムの関連エントリー >> 10: スタイルガイド
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