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日英と英日のレート比較

 昨年、FB の翻訳グループで日英と英日のレートの比較が話題になっていました。具体的には、「日英で原文 1 文字あたり 5 円というレートは、英日のレートであればいくらに相当するのか」といった内容でした。とても興味深い内容だったので私も議論に参加したかったのですが、納期の直前で忙しくしていたため参加できませんでした。

 後日、これまでに取り引きがあったエージェント、現在取り引きしているエージェントについて、同一のエージェントにおける日英と英日のレートを比較してみました。日英案件のみ、または英日案件のみを受注するエージェントについては、比較ができないので除外しました。


日英案件原文 1 文字あたりのレートと英日案件原文 1 ワードあたりのレートの比較

A 社: 日英:英日 = 1: 1.7(英日:日英 = 1:0.6)
B 社: 日英:英日 = 1: 1.5(英日:日英 = 1:0.7)
C 社: 日英:英日 = 1: 1.7(英日:日英 = 1:0.6)
D 社: 日英:英日 = 1: 1.7(英日:日英 = 1:0.6)
E 社: 日英:英日 = 1: 1.7(英日:日英 = 1:0.6)
F 社: 日英:英日 = 1: 1.6(英日:日英 = 1:0.6)
G 社: 日英:英日 = 1: 2.0(英日:日英 = 1:0.5)
(小数点第二位を四捨五入)

 比較の結果、日英の原文 1 文字あたりのレートを 1 とした場合、G 社を除いて英日の原文 1 ワードあたりのレートは 1.5~ 1.7 の範囲に収まっていることが判明しました。しかし、だからといって、この 1:1.5~1.7 という日英:英日のレート比が適正なものであるということになりません。そこで、単位時間あたりの料金という観点から、日英と英日のレートの適正な比率について考えてみました。

 私の場合、同じ分野で難易度が同程度だと仮定した場合、原文 3,000 文字の日英案件を訳すのに要する時間で処理できる英日案件の原文ワード数は 2,000 ワード程度かなと思います。日英の原文 1 文字あたりのレートを 1 円だとすると、単位時間あたりに稼げる金額は 3,000 円になります。同じ時間で処理できる英日案件の分量は 2,000 ワードなので、同じ時間で 3,000 円稼ぐには原文 1 ワードあたりのレートは 1.5 円である必要があります。ということで、日英と英日の適正なレート比は、私の場合 1:1.5 であるという結論に達しました。

 言い換えれえば、同一のエージェント/クライアントにおいて、日英:英日 = 1 > 1.5 の場合は日英のほうが割がよく、日英:英日 = 1 < 1.5 の場合は英日のほうが割がよいということになります。ただし、これはあくまでも私にとっての適正比率であり、人によっては、英日のほうがもっと量をこなせる(またはその逆)ということもあるので、適正比率は人によって異なると思われます。また、この比較は英日と日英で難易度が同じという前提に基いていますが、現実的には難易度が同じなどということはあまりないため、日英と英日のレート比較はあまり意味がないのかもしれません。

 しかし、これまでこのような適正比率を考えることなく、レートの絶対値のみを見てきたので、今後は日英:英日のレート比も 1 つの判断材料にしたいと思います。


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