『プロが教える技術翻訳のスキル』を読み終えました
先日、『プロが教える技術翻訳のスキル (KS語学専門書)』という本を購入しました。数カ月前から同業者の間で話題になっていた本です。一線で活躍されている5人の技術翻訳者の共著による本で、5人の著者のうちのおふたりとは面識があるということもあり、発売を楽しみにしていました。
対象読者は、業務上、技術翻訳を行う必要がある方々、技術翻訳を目指している方々、技術翻訳をはじめたばかり方々となっていますが、ある程度の期間フリーランスとして翻訳業に携わってきた人にとっても読み応えのある内容になっていたと思います。有益なWebサイト、書籍、辞書、団体なども多数紹介されており、知らなかったものも多数ありました。
第1章の「技術翻訳の概要」では、技術翻訳をするための適正として10項目が挙げられています。自分自身の適性をチェックしてみたところ、10項目とも「Yes」と答えられる内容だったので、少なくとも適正がないということはなさそうでほっとしました。
各種の情報や翻訳演習以外にも、5人の著者が翻訳者になった経緯、翻訳に対する考え方、助言などがさまざまな角度から書かれており、とても興味深い内容でした。自分と同程度の経験年数の同業者や自分よりも長い年数この世界で活躍されている方々のそういった話はとても刺激的で、自分も「気持ちを新たにがんばらなくては」と襟を正した次第です。
『プロが教える技術翻訳のスキル』は、読んですぐに翻訳力が向上する類の参考書ではありませんが、(技術)翻訳を勉強中の方や駆け出し翻訳者の方にとっては、(技術)翻訳とは何か、どのような心構えを持つべきかについて知ることができ、ある程度の年数翻訳業に携わっている方にとっては、自分のやり方をチェックして見直しするきっかけになる本だと思います。すべての人にお勧めできる一冊です。
プロが教える技術翻訳のスキル (KS語学専門書) 時國 滋夫 高橋 さきの 大光明 宜孝 佐藤 エミリー 綾子 田中 千鶴香 講談社 2013-06-15 by G-Tools |
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