コラム24: 「など」のいろいろ
日本語から英語に訳すとき、ワンパターンになってしまいがちな語句として、「など」があります。日本語の原文に「など」が出てくると、決まりごとのように自動的に
and so on や etc. と訳している人をよく見かけます。
和英辞典で「など」を引くと、and so on、etc.、and (or) the like、〜 such as などが載っています。しかし、これらの語句以外に、意外と日本人が知らない(実は知っているけど、気付いていない)定番中の定番とも言える表現があります。この表現、ネイティブが書く英文には頻出するのですが、日本人が書く英語にはあまり登場しません。それは、「and other XXXs」 という表現です。
例
France, Canada, Australia, and other countries: フランス、カナダ、オーストラリアなど(の国)
The screw driver, wrench, hammer, and other tools: ドライバー、レンチ、ハンマーなど(の工具)
なぜ、日本人はこの表現をあまり使わないのでしょうか。おそらく、英文で A, B, C, and Ds という表現が出てきたら「A、B、C およびその他の D」と訳す人が多いため、この and other Ds がなどに該当することに気づいていないのだと思います。
ポイントは、A, B, C, and other Ds の D が、A、B、C を包括する語になっていることです。したがって、日本語の原文が「A、B、C など」となっている場合でも、隠れている D を見つけてやれば、この表現を使えることになります。
例
三越、大丸、高島屋など
文脈から、「など」がデパートに限定されるとわかる場合は、 Mitsukoshi, Daimaru, Takashimaya, and other depratment stores とします。デパートに限定せずに、企業全般を指していると思われる場合は、Mitsukoshi, Daimaru, Takashimaya, and other companies とします。
Mitsukoshi, Daimaru, Takashimaya, etc. や Mitsukoshi, Daimaru, Takashimaya, and so on としてもよいのですが、この 「and other Ds」は、英語らしい表現なので覚えておくと英文がワンランクアップすると思います。ただし、D が何になるのかよくわからない場合は使う控えたほうがよいでしょう。
「など」のもう 1 つの表現として、to inlcude、including を使うという手があります。to inlude は元々は「含む」という意味なので、日本語の「など」を表現できる場合があります。
例:
今年読んだ本は 〜 などです。
The books I read this year include ...
インド、タイ、ベトナムなどを訪れました。
I visited countries including India, Thailand, and Vietma.
いかがでしょうか。and so on や etc. ももちろん悪くないのですが、こんな表現が使えればワンランク上の英語といった感じがします。
また、and so on の代わりになる表現として、and more があります。これは、広告などで、「ほかにもいっぱいあります」というニュアンスで使われることが多いと思います。また、for example を使って、「など」を表すこともできます。例文は省略しますが、「など」を表現する方法は、ほかにもさまざまなものがありそうです。
「など」の表現パターンを増やしましょう。
カテゴリー: 1. 訳語・表現・表記
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和英辞典で「など」を引くと、and so on、etc.、and (or) the like、〜 such as などが載っています。しかし、これらの語句以外に、意外と日本人が知らない(実は知っているけど、気付いていない)定番中の定番とも言える表現があります。この表現、ネイティブが書く英文には頻出するのですが、日本人が書く英語にはあまり登場しません。それは、「and other XXXs」 という表現です。
例
France, Canada, Australia, and other countries: フランス、カナダ、オーストラリアなど(の国)
The screw driver, wrench, hammer, and other tools: ドライバー、レンチ、ハンマーなど(の工具)
なぜ、日本人はこの表現をあまり使わないのでしょうか。おそらく、英文で A, B, C, and Ds という表現が出てきたら「A、B、C およびその他の D」と訳す人が多いため、この and other Ds がなどに該当することに気づいていないのだと思います。
ポイントは、A, B, C, and other Ds の D が、A、B、C を包括する語になっていることです。したがって、日本語の原文が「A、B、C など」となっている場合でも、隠れている D を見つけてやれば、この表現を使えることになります。
例
三越、大丸、高島屋など
文脈から、「など」がデパートに限定されるとわかる場合は、 Mitsukoshi, Daimaru, Takashimaya, and other depratment stores とします。デパートに限定せずに、企業全般を指していると思われる場合は、Mitsukoshi, Daimaru, Takashimaya, and other companies とします。
Mitsukoshi, Daimaru, Takashimaya, etc. や Mitsukoshi, Daimaru, Takashimaya, and so on としてもよいのですが、この 「and other Ds」は、英語らしい表現なので覚えておくと英文がワンランクアップすると思います。ただし、D が何になるのかよくわからない場合は使う控えたほうがよいでしょう。
「など」のもう 1 つの表現として、to inlcude、including を使うという手があります。to inlude は元々は「含む」という意味なので、日本語の「など」を表現できる場合があります。
例:
今年読んだ本は 〜 などです。
The books I read this year include ...
インド、タイ、ベトナムなどを訪れました。
I visited countries including India, Thailand, and Vietma.
いかがでしょうか。and so on や etc. ももちろん悪くないのですが、こんな表現が使えればワンランク上の英語といった感じがします。
また、and so on の代わりになる表現として、and more があります。これは、広告などで、「ほかにもいっぱいあります」というニュアンスで使われることが多いと思います。また、for example を使って、「など」を表すこともできます。例文は省略しますが、「など」を表現する方法は、ほかにもさまざまなものがありそうです。
「など」の表現パターンを増やしましょう。
カテゴリー: 1. 訳語・表現・表記
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