コラム 29: 「仔犬います」それとも「仔犬あります」?
街角のペットショップの写真。「仔犬います」と書かれています。
日本語で存在を表すことばは、物の場合は「ある」、生き物の場合は「いる」です。対象物がゲームボーイなら、「ゲームボーイあります」となります。犬は生き物だから、「仔犬います」で問題ないように思えますが、何か変な感じがします。
ペットショップにおける仔犬は生き物であると同時に商品でもあります。商品という意味では魚屋の魚と同じです。たとえ、生きた魚を売っていたとしても「活け魚います」とは書かないはずです。「活け魚あります」のほうが自然だと思います。
「仔犬います」と書かれていると、商品としてではなく、単に「仔犬がここに存在している」ことを表しているだけのような印象を受けます。(この写真の場合、値段が書かれているのでそういう誤解は起こらないでしょうが)。商品として販売していることを示したいのであれば「あります」とすべきです。ただし、活け魚と違って、仔犬は食用として販売しているわけではありません。いくら商品だからと言って、家族の一員とまで称されるペットを物扱いすることは、とっても冷たい感じがするし、お客さんにもいい印象は与えないでしょう。
こんな場合は、どう表現したらしっくりくるのでしょうか・・・。いろいろ考えてみた結果、「仔犬、お買い求めいただけます」という表現が思い浮かびました。ほかにもっといい表現があるかもしれませんが、どうでしょうか。
カテゴリー: 5. 日本語
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