2: 翻訳者とは
まず、私たちフリーランスで産業翻訳の仕事をしている者は「翻訳者」と呼ばれます。決して「翻訳家」とは言いません。「翻訳家」と言えば、世間で名前が知られた大先生というイメージがあります。この業界では、どれだけ優れた技術を持った人でも「翻訳者」です。
翻訳者とは、「語学(英語)のプロ」だと思っている方が多くいます。しかし、翻訳者とは「文章を書くプロ」だと Kunishiro は思っています。特に産業翻訳では、原文に書かれた情報を正しく、わかりやすく、簡潔に、別の言語に置き換えて書ける能力が必要とされます。ただ、英語が好きで得意なだけでは、一流の翻訳者になるのは難しいと思います。文章を書くことが好きで、ことばにこだわりがあることのほうが重要だと言えます。
翻訳者は一種の職人です。仕事の依頼時に、「内容がわかる程度でいいから、安い料金で…」と言われることがあります。しかし、職人である以上、自分の納得できない品質の訳文を納品することは、自分自身が許せません。料理人が「食べられればよいから、安い料金で…」と言われるようなものです。このようなことを言われた料理人は、「食欲を満たすだけの料理が必要なら、そのような店に行ってくれ」と言うでしょう。
しかし、昨今の不況のあおりを受け、翻訳料金もだんだん厳しくなってきていることも事実です。したがって、正当な翻訳料金を要求できないのが現実です。それでも、自分の能力をはるかに下回る料金では Kunishiro は仕事を受けません(ただし、引き受けた場合は、どんなに料金が安くても、手を抜くようなことは一切しません)。
能力があるにもかかわらず、低料金で仕事を引き受ける翻訳者もいます。Kunishiro はこのことをなげかわしく思っています。能力のある方には自分を安売りして欲しくありません。業界の料金体系を正常なものに維持するためにも大切なことです。どんな製品でも、そしてどんなサービスでも、品質と価格は正比例の関係にあります。翻訳においても、この原則は崩れて欲しくないと思います。
Kunishiro の翻訳に対する考え方は、あくまでも一翻訳者の意見です。当然、このような考え方が 100% 正しいとは思っていません。今後考え方が変わることもあるかもしれません。考え方が異なる翻訳会社やクライアントと出会ったこともあり、無能な翻訳者として扱われたこともあります。しかし、Kunishiro の考え方を認めてくれ、評価していただける会社と今後もお付き合いしていけたらと考えてます。
翻訳者と翻訳会社との関係について一言。翻訳者が料理人だとすれば、翻訳会社はレストランです。レストランである翻訳会社は、自分のお店が目指す味を出してくれる料理人(翻訳者)を探すことになります。また、料理人(翻訳者)は、自分の味を評価してくれるようなレストラン(翻訳会社)を探し求めることになります。
悲しいことに、自分の目指している味がよくわからない翻訳者や翻訳会社が多く存在します。翻訳者も翻訳会社も自分の目指す味を明確にして、プライドを持って仕事をしていけたら、業界の発展につながるのではないでしょうか。
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翻訳者とは、「語学(英語)のプロ」だと思っている方が多くいます。しかし、翻訳者とは「文章を書くプロ」だと Kunishiro は思っています。特に産業翻訳では、原文に書かれた情報を正しく、わかりやすく、簡潔に、別の言語に置き換えて書ける能力が必要とされます。ただ、英語が好きで得意なだけでは、一流の翻訳者になるのは難しいと思います。文章を書くことが好きで、ことばにこだわりがあることのほうが重要だと言えます。
翻訳者は一種の職人です。仕事の依頼時に、「内容がわかる程度でいいから、安い料金で…」と言われることがあります。しかし、職人である以上、自分の納得できない品質の訳文を納品することは、自分自身が許せません。料理人が「食べられればよいから、安い料金で…」と言われるようなものです。このようなことを言われた料理人は、「食欲を満たすだけの料理が必要なら、そのような店に行ってくれ」と言うでしょう。
しかし、昨今の不況のあおりを受け、翻訳料金もだんだん厳しくなってきていることも事実です。したがって、正当な翻訳料金を要求できないのが現実です。それでも、自分の能力をはるかに下回る料金では Kunishiro は仕事を受けません(ただし、引き受けた場合は、どんなに料金が安くても、手を抜くようなことは一切しません)。
能力があるにもかかわらず、低料金で仕事を引き受ける翻訳者もいます。Kunishiro はこのことをなげかわしく思っています。能力のある方には自分を安売りして欲しくありません。業界の料金体系を正常なものに維持するためにも大切なことです。どんな製品でも、そしてどんなサービスでも、品質と価格は正比例の関係にあります。翻訳においても、この原則は崩れて欲しくないと思います。
Kunishiro の翻訳に対する考え方は、あくまでも一翻訳者の意見です。当然、このような考え方が 100% 正しいとは思っていません。今後考え方が変わることもあるかもしれません。考え方が異なる翻訳会社やクライアントと出会ったこともあり、無能な翻訳者として扱われたこともあります。しかし、Kunishiro の考え方を認めてくれ、評価していただける会社と今後もお付き合いしていけたらと考えてます。
翻訳者と翻訳会社との関係について一言。翻訳者が料理人だとすれば、翻訳会社はレストランです。レストランである翻訳会社は、自分のお店が目指す味を出してくれる料理人(翻訳者)を探すことになります。また、料理人(翻訳者)は、自分の味を評価してくれるようなレストラン(翻訳会社)を探し求めることになります。
悲しいことに、自分の目指している味がよくわからない翻訳者や翻訳会社が多く存在します。翻訳者も翻訳会社も自分の目指す味を明確にして、プライドを持って仕事をしていけたら、業界の発展につながるのではないでしょうか。
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