Translation Room 9246

難しいことばを羅列したり、気取った言い回しを使ったりすることが、高尚な文章だと思っている人がいます。これは、大きな間違いだと思います。訳文を読む人のレベルはさまざまです。その業界の専門用語を除き、一般的なことがらについては、なるべく簡単なことば、普通のことばを選び、中学生程度の日本語力で十分読めるような文章を Kunishiro は目指しています（新聞の文章は、簡単なことばを使って、平易に書かれています）。

ビジネス文書では、情報を伝えることが最大の目的です。このような文書において、きれいな文章とは、読んでいる人が文章を意識せずに、内容（情報）だけが頭にすんなりと入ってくるような文章です（スポンジに水がしみ込むように）。文章ばかリが目立って（主張して）、内容（情報）がすんなり頭に入ってこないような文章は悪文であると言えます。

文章（訳文）を書くときには、視覚的要素も重要です。一般的に、ひらがな 7 割、漢字 3 割の割合が視覚的に読みやすいと言われています。

何でもかんでも、漢字で書いてしまう人がいますが、接続詞や補助動詞に漢字を使うと、紙面が黒っぽくなり、固い印象を与えてしまいます。漢字とかなの使い分けには、絶対的なルールがあるわけではありませんが、新聞などの漢字とかなの使い分けは参考になります（Booksのコーナーで、漢字とかなの使い分けの参考になる書籍を紹介しています）。

また、ひらがなばかりが続く箇所には漢字を入れてれてみたり、逆に漢字ばかりが続く文章にはひらがなを入れてみたりする心配りも重要です。プロの物書きである以上は、さまざまなことに気を遣う必要があります。翻訳（文章）とは、結構奥の深いものです。

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