コラム 38: 2 ビールください(数字に関する表現 - 日本語と英語の違い)
イギリス人の友人と居酒屋に行きました。彼は、すでに日本で半年ほど生活しており、簡単な内容であれば日本語で言えるようになっていました。その友人が、居酒屋の店員に向かってこんなことばを発しました。
「2 ビールください」
英語の「Two beers please」の発想をそのまま日本語に持ち込んだために、こんな変な日本語になってしまったのでしょう。このような場合、普通の日本人であれば、
「ビール 2 つください」
と言います。英語では 「数字 + 名詞(の複数形)」と表現するところを、日本語の自然な表現では「名詞 + 数字」となり、英語とはまったく逆になります。この例だけを見れば、そんなこと当たり前だと思う人がいると思いますが、いざ翻訳となると「数字 + 名詞」という英語の発想をそのまま日本語に持ち込んで訳している人を多々見受けます。場合によっては、英語と同じ「数字 + 名詞」という語順のほうが日本語においても適切な場合もありますが、常に「名詞 + 数字」という語順で表現できないかを考えると、日本語らしい文章になると思います。
原文: The device uses four AAA batteries.
訳文 X: この装置では、4 本の単 4 電池を使用します。
訳文 ○: この装置では、単 4 電池を 4 本使用します。
原文: The product comes with 20 cards.
訳文 X: 製品には、20 枚のカードが付属しています。
訳文 ○: 製品には、カードが 20 枚付属しています。
付属品のリストなどでは、「〜 x n(数字)」という表現を使うとすっきりした日本語になります。
原文:
The package includes:
訳文 X:
パッケージには、以下のものが同梱されています。
訳文 ○:
パッケージには、以下のものが同梱されています。
日本語から英語に訳すときに注意する必要があるのは、「n 回」という表現です。日本人は「n times」と訳すのが好きですが、これも「数字 + 名詞」で表現したほうが英語らしくなる場合があります。
原文: 私たちは昨年、教育に関するシンポジウムを 3 回開催しました。
訳例 X: Last year, we held symposia on education three times.
訳例 ○: Last year, we held three symposia on education.
カテゴリー: 2. 英語と日本語の違い
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「2 ビールください」
英語の「Two beers please」の発想をそのまま日本語に持ち込んだために、こんな変な日本語になってしまったのでしょう。このような場合、普通の日本人であれば、
「ビール 2 つください」
と言います。英語では 「数字 + 名詞(の複数形)」と表現するところを、日本語の自然な表現では「名詞 + 数字」となり、英語とはまったく逆になります。この例だけを見れば、そんなこと当たり前だと思う人がいると思いますが、いざ翻訳となると「数字 + 名詞」という英語の発想をそのまま日本語に持ち込んで訳している人を多々見受けます。場合によっては、英語と同じ「数字 + 名詞」という語順のほうが日本語においても適切な場合もありますが、常に「名詞 + 数字」という語順で表現できないかを考えると、日本語らしい文章になると思います。
原文: The device uses four AAA batteries.
訳文 X: この装置では、4 本の単 4 電池を使用します。
訳文 ○: この装置では、単 4 電池を 4 本使用します。
原文: The product comes with 20 cards.
訳文 X: 製品には、20 枚のカードが付属しています。
訳文 ○: 製品には、カードが 20 枚付属しています。
付属品のリストなどでは、「〜 x n(数字)」という表現を使うとすっきりした日本語になります。
原文:
The package includes:
- 20 Philips screws
- One rechargeable battery pack
- Five spare cartridges
訳文 X:
パッケージには、以下のものが同梱されています。
- 20 本のプラスねじ
- 1 個の充電バッテリーパック
- 5 個のスペアカートリッジ
訳文 ○:
パッケージには、以下のものが同梱されています。
- プラスねじ x 20 本
- 充電バッテリーパック x 1 個
- スペアカートリッジ x 5 個
日本語から英語に訳すときに注意する必要があるのは、「n 回」という表現です。日本人は「n times」と訳すのが好きですが、これも「数字 + 名詞」で表現したほうが英語らしくなる場合があります。
原文: 私たちは昨年、教育に関するシンポジウムを 3 回開催しました。
訳例 X: Last year, we held symposia on education three times.
訳例 ○: Last year, we held three symposia on education.
カテゴリー: 2. 英語と日本語の違い
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